餅を焼くのがお得意です ページ11
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『ほんとはちょっとAちゃんのこと狙ってたんだけどなー』
「っ！…危なぁ。」
彼の発言に思わずビールを吹き出しそうになった。
「急に何よ。」
『いや、Aちゃん、顔も性格もドンピシャだしー』
「…悪い気はしないね。」
『ほんと、惜しいことしたなー』
私の事を褒めているはずなのに、彼の目線の先は…
「…。」
眉間にしわを寄せて、不機嫌丸出しの渡辺氏。
こっちにも吹き出しそうになって、何とか踏みとどまった。
『…お手洗い行って来る』
不機嫌丸出しなのは声も同様らしく、彼の背中が扉で隠れた瞬間耐えれず笑ってしまった。
『「…ヤキモチだ」』
大根役者もビックリなぐらい棒読みのセリフなのに、それに焼いちゃうなんて…
(かわいい人。)
意外な一面を知って、笑っていれば樹がポツリと言葉を漏らす。
『翔太はさぁ、ずっとAちゃんだけを見てたから…良かったなぁ。』
嬉しそうな顔に一瞬心が痛んだけど、何とか笑顔を返すことが出来た。
ーーー
ー
『じゃ、俺この後友達と会うからー』
元気に手を振り、遠ざかっていく樹を見送る。
(さぁ、どうしたもんか…)
悩みの理由は隣で、未だに拗ねてる私の彼氏様。
トイレから戻ってきてからは、普通だったのに樹を見送った時から膨らんだ彼の頬。
「置いてくよー」
取り合えずお店の前に立ち止まっているわけには行かず、彼を置いて歩き出すと、慌てて追いかけてくる。
『…ほかの男に褒められて、ニヤニヤすんなよ』
「まぁ、樹に言われたら、悪い気はしないからなー」
『っ！俺がいくらでも褒めてやるから、他の男の言葉で喜ぶなぁ！』
顔真っ赤にしながら、そういう彼に思わず笑ってしまう。
その赤面は怒り？それとも照れ？…
どちらにしても可愛いと思ってしまった。
「困っちゃうぐらいヤキモチ焼きだなぁ…私のダーリンは」
愛しさいっぱいに、初めて私から彼の手を握った。
一瞬驚いたように反応したけど、すぐに満足そうに笑う。
ときめく胸が、気持ちの変化を教えてくれる。
君に好きだと伝えるのも、そんなに時間は掛からないかもしれないなんて考えながら、ふたりで歩く夜道。
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よちよち(プロフ) - 初めてコメントします。毎日楽しみに読ませて頂きました。いいですね🥰翔太くんのデレ感‼️読めてキュンキュンしました‼️ (4月10日 3時) (
レス) @page16 id: bee34b06b2 (このIDを非表示/違反報告)
ゆづ(プロフ) - はじめまして。楽しく拝見させていただいているのですが言葉の誤用が気になったのでお知らせです。定員→店員。あと役不足という言葉は間違えやすいですが反対の意味ですよ。これからも素敵な作品期待しています!！ (4月5日 23時) (レス) id: 054daa6dee (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：お豆腐屋さん | 作成日時：2024年4月4日 23時
