人生は勢いとタイミングでしょ ページ14
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翔太と私と、元カレ。
街灯はあれど、暗い夜道で対峙する姿はさながら深夜ドラマのワンシーンのようだ。
[…っ！お前、Snow Manの渡辺だろ！]
『…、だから何だよ』
急に翔太を呼んだ元カレと、鬱陶しそうに振り向く翔太。
彼の手には携帯が握られており、ライトが光っている。
[アイドルが女と抱き合ってる写真なんて撮られたらまずいんじゃないの？]
急に強気になり、翔太にそう告げる。
(まずい！)
急いで離れようと彼の胸板を押すと、より強い力で抱き寄せられる。
「っ！翔太！」
『撮りたきゃ、撮れよ。』
その言葉は私に向けられているものじゃない。
『お前さぁ、手放してからAがどんだけいい女か気付いたの？
こっちはな、何年も前からずっとこいつが最高の女だって知ってんだよ。
一回でも嫌な気持ちにさせたお前が立てる土俵はもうねぇよ。』
[っ、]
『写真撮りたきゃ撮れよ。
こっちは、Aと付き合った時から、覚悟はできてんだよ。
…ファンに土下座してでもこいつを幸せに、こいつと幸せになりたいって。』
思わず溢れた涙。胸が熱くて火傷しそうだ。
「翔太、離して。」
『おい。』
無理やり彼の腕から抜けて、呆気にとられている彼の前に立つ。
「…私が貴方のもとに戻ることはありません。さよなら。」
[っ、ごめん]
膝から崩れ落ちた彼を背に翔太のもとに戻る。
「帰ろっか」
『おう』
私の腰に手を回し、支えながらゆっくりと歩いてくれる。
今日はまんまるの月が夜を照らしている。
「ねぇ、翔太。」
『ん？痛い？』
「ううん。大丈夫。あのね…
…好きだよ。」
『え？』
月とおんなじぐらい丸い目をして、立ち止まる。
『え？今なんて？』
「だから…好きだよ。」
今度はちゃんと目を見てそう告げる。
笑う私とは裏腹に、手で顔を隠しながら顔を歪める彼。
『タイミング！』
そういった彼の目は少しだけ赤いような気がした。
「…ファンの皆さんには、私も一緒に土下座するね」
『…二人なら怖くねぇな。
…A好きだよ。今までも、これからも、一番好きだ。』
月に照らされ涙を一筋流した彼は、何よりも綺麗で何よりも愛おしかった。
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よちよち(プロフ) - 初めてコメントします。毎日楽しみに読ませて頂きました。いいですね🥰翔太くんのデレ感‼️読めてキュンキュンしました‼️ (4月10日 3時) (
レス) @page16 id: bee34b06b2 (このIDを非表示/違反報告)
ゆづ(プロフ) - はじめまして。楽しく拝見させていただいているのですが言葉の誤用が気になったのでお知らせです。定員→店員。あと役不足という言葉は間違えやすいですが反対の意味ですよ。これからも素敵な作品期待しています!！ (4月5日 23時) (レス) id: 054daa6dee (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：お豆腐屋さん | 作成日時：2024年4月4日 23時
