腹いっぱい、胸いっぱい ページ9
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『ふー！めっちゃ食ったわ』
「お粗末様でした。…片付けのお手伝いありがとう。」
『こっちこそ、ご飯ありがとう。美味かった。』
あれから二人で家に帰り、早速ビール片手にベランダに出てお花見を始めた。
彼お得意の『うわっ！』を何度もいただき、今年もいい思い出ができた。
お腹も満たされ、片付けがてら二人で部屋に戻る。
二人並んでの皿洗いもあっという間に終わってしまい、冷蔵庫から新しい缶を手に取る。
そのまま先にソファに座っていた彼の隣へ。
「…今年もお花見できてよかった。」
『ん。毎年恒例だもんな。』
「うん。」
テレビも付けず、二人だけの空間。
テーブルに置いた缶のプルタブを上げれば、小気味いい音が響いた。
それに口を付け、傾ければ口の中に広がる炭酸の刺激。
キュッと喉が鳴った時、肩に温かさと遠慮気味の重みを感じた。
「…どうした？」
それの犯人は、隣りに座っていた翔太。私から彼の顔が見えない。
『…A。好きだよ。』
静かな空間ではっきり聞こえた彼の小さな声。
何も返せない私。
『A。…今じゃなくていい。でもいつか、お前が心から俺とおんなじ気持ちになったら、
ちゃんと教えて？』
「うん。…一番に言うね。」
「待ってる。」
今、彼にあげられる言葉はない。だって中途半端な気持ちは翔太に失礼だ。
代わりにぎこちなく撫でた彼の髪。
柔らかいけど少しパサパサしている。
猫みたいに私の手にすり寄る彼が可愛くて笑っちゃう。
『何笑ってんだよ。』
「別に〜」
何度もこの部屋で彼と過ごした。
でも、こんな時間は初めてだ。そして悪くないと思える。
いつか彼に同じ気持ちを告げられたらいいなと素直に思えた。
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よちよち(プロフ) - 初めてコメントします。毎日楽しみに読ませて頂きました。いいですね🥰翔太くんのデレ感‼️読めてキュンキュンしました‼️ (4月10日 3時) (
レス) @page16 id: bee34b06b2 (このIDを非表示/違反報告)
ゆづ(プロフ) - はじめまして。楽しく拝見させていただいているのですが言葉の誤用が気になったのでお知らせです。定員→店員。あと役不足という言葉は間違えやすいですが反対の意味ですよ。これからも素敵な作品期待しています!！ (4月5日 23時) (レス) id: 054daa6dee (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：お豆腐屋さん | 作成日時：2024年4月4日 23時
