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「…これだけのために、きた?」
「…。」
「…。」
「…ううん。」
「うん。」
大介くんは私の方に体を向けて聞く体勢をとる。
そしてなかなか話し出せない私を急かすことなく待ってくれている。
「泣いちゃう、かもしれない。」
大介くんはいきなり走って部屋から出ていく。
かと思えばすぐに戻ってきてタオルを渡してくれた。
そして膝の上にティッシュもスタンバイ。
「いいよ、泣いても。」
「…んーと、」
どこから話せばいいんだろう。
まずは、謝らなきゃいけないよね。
「ごめんなさい。」
「んえ?」
「うそ、つきました。」
「嘘?」
「この間のあの人、彼氏じゃない。」
「…え?あっ、え?そうなの?」
「職場の後輩なのは本当。」
「…そっか。」
「わたし、」
「よかったぁ〜。」
大介くんが全身の力が抜けたようにソファーに体重を預けて天を仰ぐ。
よかった?
なにが、よかった?
「彼氏じゃなかったんだ。」
「うん。」
「まじで、終わったかと思った。」
「おわっ、た…?」
大介くんが身体を起こしてまっすぐに私を見つめる。
まんまるで真っ黒な瞳。
今にも吸い込まれてしまいそう。
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minese(プロフ) - ありがとうございます、助かりました (5月2日 12時) (レス) id: 8f46ce7c6e (このIDを非表示/違反報告)
涼-suzu-(プロフ) - mineseさん» 題名は『玉響-moment』です(* ᴗ͈ˬᴗ͈)” (5月2日 12時) (レス) id: 6a2e5ac073 (このIDを非表示/違反報告)
minese(プロフ) - 題名を教えてください (5月2日 11時) (レス) id: 8f46ce7c6e (このIDを非表示/違反報告)
minese(プロフ) - そうなんですか⁉ありがとうございます (5月2日 11時) (レス) id: 8f46ce7c6e (このIDを非表示/違反報告)
涼-suzu-(プロフ) - mineseさん» 目黒くんのお話ありますよ!お手数ですが私の作品一覧を見ていただければと思います。 (5月1日 16時) (レス) id: 6a2e5ac073 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:涼-suzu- | 作成日時:2024年4月7日 16時