唯一無二 ページ15
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ユイ「ごめん、やっぱ何回想像してもおもろいわ」
「もう気が済むまで笑いなよ…」
さっきからツボに入っては真面目な顔して、でも私が話し始めたら笑い出して…の繰り返しで全く話が進まない。
あんたが招集かけたんでしょうが。
シェアハウスに引っ越したらいつもの居酒屋の最寄駅が丁度お互いの職場の中間地点になって、そこから歩いて向かったものの生憎の満席。
金晩だしねってブラブラ歩きながら別のお店を探しているところだった。
近況どうなの？って聞いてくるから律儀に答えてあげてたのに…
ユイ「先生とあんたが同じ家…違和感すぎる」
「それ何回言うの？」
ユイ「てかそもそもあの人がシェアハウスに住むタイプとは思わなかったわ」
「ふーん…そんな感じなんだ？」
ユイ「潔癖症のミニマリストでパーソナルスペースも激狭ってイメージ」
確かに、それだったらシェアハウスに住んでるのは意外に思うかも。…だからってツボってんのはほんとよく分かんないけど。
「人見知りとは言ってたけどあの家で顔合わせた時はそんな感じしなかったけどね？」
ユイ「へぇ。先生も人の心あったんだ」
「…よくその態度で置いて貰えてるよね。」
ひんしゅく買ってないか心配するわ…
でも渡辺さんと軽口叩き合ってたり、後輩の佐々木ちゃんとも関係が良好そうだったから…うまくやっていけてるんだろう。
ユイ「あ、ねえ。ここどう？」
そう言ってユイが立ち止まって見る先には、一見カフェと思うような木造でガラス張りのお店。どうやら大衆居酒屋らしい。
外から中の様子がよく見えて、美味しそうな料理にお腹の虫がグゥ…と鳴く。
カップルやサラリーマン、家族に女子会…
お酒を嗜む人も居れば、ご飯がメインの人も居る。
幅広い層の色んなお客さんが居て、だけどどの人にも似合う不思議なお店。
暖かい照明とか、賑わう雰囲気に惹かれてユイと2人で暖簾をくぐった。
「2名様ですねー少々お待ちください！」って大学生くらいの男の子が店内の様子を確認しに行った。
「…いっぱいかな」
ユイ「週末だしねぇ」
少しして戻って来た店員さんは申し訳なさそうな顔。
あ、いっぱいだったんだ。って思ったんだけど。
「カウンターでしたらご案内出来るんですけど…」
どうやら2席だけ空いていて、両隣にもお客さんが居るから狭いかな？って気遣ってくれたみたいだ。
ユイと顔を見合わせて、いいよね？って。
「2名様でーす！いらっしゃいませー！」
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作者名：あむ
| 作成日時：2024年4月5日 23時
