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翔太side





「で?」
涼「…ああ、うん」


シンクにもたれて、料理中の涼太と情報共有。

大介にも、康二にも。
伝わっていい内容なのかわからないから2人だけで。



ひとつひとつ順序よく話し始めた涼太の話にうなづきながらちらりと康二を見れば、ソファの上で体育座り。
佐久間はひとり、部屋に戻ってしまった。










涼「…難しいなって思ったよ」
「……」
涼「無条件に愛す、なんてさ。母親なら、親ならやるべきだって思われがちだけど、実際難しいことなんだなって」
「…当たり前だろ。人と人なんだから」



いくら自分の子だからってイライラすることはあって。
許せないことももちろんあって。

それでもうまく愛せる人もいれば、愛せない人だっている。



全部受け入れろなんて無理な話だ。





涼「…叩いたんだって。一度だけだけど、亮平と蓮の前で」
「は、?」
涼「あんまり母親のこと覚えてない蓮だけど、それだけはよく覚えてるみたい」




小さな子どもが目の当たりにするには衝撃が大きすぎる。

なんで康二が、なんて。
当時の状況をよく知らないからこそ、戸惑いと怒りが込み上げる。





そんな俺をみて、眉を下げた涼太は手をとめた。






涼「…多分、多分なんだけど。ただの推測なんだけどさ」
「…うん」
涼「康二がそんな扱いを受けたことには理由があるんじゃないかな」
「は?」
涼「蓮が生まれた時、照は前の職場で忙しかったみたいでね、基本育児ワンオペだったらしくて。まだ2歳にもなってなかった康二の退行が激しかったんだって、そう言ってた」


だから何だ、って思った。

母親なら、しっかり受け止めろよって。



涼「若干うつ状態だったんじゃないかな。いい子だったとはいえ亮平もまだ小さくて、赤ちゃん返りで泣き喚いたりイヤイヤ期があったりする2歳児と、生まれたばかりでなにもできない子どもを抱えて。……頼れる人、いなかったのかもなって」



そう考えたら、あんまり強く責めらんないや。






涼太はつぶやくように言葉を落として、止めていた手を動かし始めた。


…母さんも、そうだったのかな。
人を育てるなんて並大抵のことじゃない。





けど。









「…手をあげて、康二を傷つけて。その上息子として受け入れられないなんて。康二には何の罪もないんだから。そんなの関係ないだろ」





お前は優しすぎる。

いつかその優しさが、大事な人を傷つけることにもなるんだよ。

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(プロフ) - 苺みるくラテさん» ありがとうございます…!! (12月23日 17時) (レス) id: 621b904b7b (このIDを非表示/違反報告)
苺みるくラテ(プロフ) - 更新楽しみにしてます! (12月18日 1時) (レス) id: 00ab994726 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - いちごさん» ありがとうございます!これからもお付き合いください! (9月13日 4時) (レス) id: 621b904b7b (このIDを非表示/違反報告)
いちご(プロフ) - コメント失礼します!凄く素敵なお話で、読みながら泣いてしまいました笑読みやすくて、これからどうなっちゃうの?!といつもドキドキしてます😵‍💫💗続きが楽しみです!無理せず頑張ってください!!応援してます(><)♡ (9月11日 8時) (レス) id: 9574711b70 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2023年9月2日 23時

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