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大介side
突然玄関が開く音がして、バタバタと廊下を走る音が響いた。
自分が情けなくて、恥ずかしくて。
みんなが帰ってきたことはわかっていても、部屋から出ることはできなかった。
涼「大介」
穏やかで、優しい声。
涼太と翔太の部屋でもあるのに、わざわざノックまでしてくれて。
涼太は俺の心の扉をこじ開けようとはしない。
開くまで、待っててくれる。
「…なに？」
涼「ご飯できたよ」
「ん、すぐいく」
いつの間にか外は暗くなっていて。
着たまんまだった制服にしわがついてしまわないように部屋着に着替えてリビングに向かった。
すでに席についてるみんな。
ポツンと空いた俺の席。
なんだか居心地が悪かった。
「…はぁ、」
夕食をとった後、部屋に戻るふりをして外へ出た。
ひんやりとした空気が身を震わせて。
マフラーを置いてきてしまったことを少しだけ後悔する。
ふらふらとあてもなく歩き続ければ、たどり着いたのは小さな公園。
ベンチに座って上を見上げれば、さらには無数の星が見える。
都会でも田舎でもないこの街でも、星は綺麗に見えるんだなぁと、ふと思った。
「った！」
翔「何してんだお前」
突然後ろから頭を叩かれて、驚いて振り返ればそこに立っていたのは鼻を赤くした翔太。
その後ろには涼太もいて、その手の中には俺のマフラー。
「…なんで分かったの、」
翔「お前の行動くらいお見通しなんだよ」
涼「とか言って、佐久間がいないことに気づいたとき大騒ぎになったのは翔太だけどね」
翔「ちょ、言うなって」
ふわりとマフラーをかけられて、2人は俺を挟むように座った。
涼「…結構見えるんだね、星」
「ね、俺も思った」
翔「まあ、この辺住宅街だし。つーか寒っ！」
涼「だからサンダルやめなって言ったのに」
翔「ちょ、コンビニ行こうぜ。肉まん食いたい」
涼「さっき夕飯食べたじゃん」
翔「いーからいーから」
ほれ、と立たされて、前を歩く2人はいつも通り。
俺に何か聞いてくることも、一方的に今日のことを話し始めることもなく、ただいつも通りの空気だった。
3人だけの時間は俺にとって大事なもの。
この2人は家族にもなるし、友達にもなるから。
程よい距離を保ってくれる涼太と、まっすぐぶつかってきてくれる翔太。
正反対な2人だけど、よく似てて。
そんな大事な2人、だからかな。
こんな最低な自分を知られたくなくて、何も話せないでいる。
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鯱(プロフ) - 苺みるくラテさん» ありがとうございます…！！ (12月23日 17時) (
レス) id: 621b904b7b (このIDを非表示/違反報告)
苺みるくラテ(プロフ) - 更新楽しみにしてます！ (12月18日 1時) (レス) id: 00ab994726 (このIDを非表示/違反報告)
鯱(プロフ) - いちごさん» ありがとうございます！これからもお付き合いください！ (9月13日 4時) (レス) id: 621b904b7b (このIDを非表示/違反報告)
いちご(プロフ) - コメント失礼します！凄く素敵なお話で、読みながら泣いてしまいました笑読みやすくて、これからどうなっちゃうの？！といつもドキドキしてます😵💫💗続きが楽しみです！無理せず頑張ってください！！応援してます(><)♡ (9月11日 8時) (レス) id: 9574711b70 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鯱 | 作成日時：2023年9月2日 23時
