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大介side
康「ままっ、」
怯えたように泣く康二くん。そんな彼に縋り付く蓮くんと、2人を守ろうと必死な亮平。
どうしてこんなに、3人の心が泣いているのだろう。
俺は何も知らない。
俺が首を突っ込んでいいことじゃない。
いくら家族だって言ったって、ちゃんと見えない線は存在していて。
しっかりと引かれたその線は、超えてしまわない方がずっと安全だ。
照「康二、」
康「ひ、」
照「大丈夫。パパがいるから。ここにママはいないよ」
亮「パパ、」
照「亮平も蓮も、明日は学校お休みしよっか。パパ、ママとちゃんと話してくるね」
3人まとめて抱きしめる姿は、ちゃんと父親で。
俺の父親とは違う、ちゃんと我が子を思う気持ちで溢れてた。
辰「照、」
照「明日、みんなを辰哉に頼んでいい？」
辰「もちろん。翔太たちも休むって」
翔「大介はどうする？」
「…俺は、学校行こうかな」
辰「そっか。翔太の分までノート取ってきてくれる？」
「ん、」
俺は弱いから。
こんな、家族みたいな空気に耐えられそうもない。
未だに家族になりきれないのは、そういったラインを越えられないから。
涼「…」
翔「……」
キツイ目線を向けてくる翔太と、探るように俺を見る涼太。
そんな2人から逃げるように、1人で部屋に戻った。
亮「…だいちゃん、」
俺のあとを追ってきたらしい亮平。
控えめに俺の前にちょこんと座って、俺を見上げた。
「…うん？」
亮「……大ちゃんは俺のお兄ちゃんだから、大ちゃんにはちゃんと俺の気持ち知ってて欲しい」
“お兄ちゃん”
聞き慣れないフレーズに少しだけ体が強張る。
だって俺には、亮平や翔太、涼太が抱えてるようなものを持てないんだもん。
「…ん？」
亮「俺はね、蓮と康二が笑っててくれればそれでいーの」
「うん」
亮「……ママが望むなら、ママに会うのも2人を守ることにつながるのかなって思う、」
“俺が行って、みんなが平和でいられるなら、”
そう遠くない昔、そう思った俺はみんなから離れる覚悟をした。
でもそれは、間違いで。
自己犠牲が大切な人を傷つけることもあることを、みんなの涙を見て知った。
「…俺は、そうは思わないかな」
俺が経験したこと、感じたこと。
亮平にも知ってほしい。
こうやって、何か一つ正しい方向に導くことが“兄貴”の役目ならば、今この瞬間だけ兄でありたいと願う。
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鯱(プロフ) - 苺みるくラテさん» ありがとうございます…！！ (12月23日 17時) (
レス) id: 621b904b7b (このIDを非表示/違反報告)
苺みるくラテ(プロフ) - 更新楽しみにしてます！ (12月18日 1時) (レス) id: 00ab994726 (このIDを非表示/違反報告)
鯱(プロフ) - いちごさん» ありがとうございます！これからもお付き合いください！ (9月13日 4時) (レス) id: 621b904b7b (このIDを非表示/違反報告)
いちご(プロフ) - コメント失礼します！凄く素敵なお話で、読みながら泣いてしまいました笑読みやすくて、これからどうなっちゃうの？！といつもドキドキしてます😵💫💗続きが楽しみです！無理せず頑張ってください！！応援してます(><)♡ (9月11日 8時) (レス) id: 9574711b70 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鯱 | 作成日時：2023年9月2日 23時
