夕日 ページ9
翔太side
フードを深く被り、ソファに小さくなって膝に顔を埋めている康二の頭を撫でる。
いつもだったらまだ学校にいるはずの時間。
その証拠に、大介はまだ帰ってこない。
お昼ご飯にも手をつけず、俺を視界に入れることなく小さく怯える姿は初めてだ。
いつだって、康二は笑ってたから。
亮平が出て行ったことは気づいていた。
何を目的にどこに向かったのかも。
だから、リビングから出ていく亮平に、涼太がLINEしてくれた店の名前だけを告げた。
康二のことは頼まれてやるから、亮平もちゃんと向き合ってこい。
そんなメッセージを込めたこと、亮平には伝わっただろうか。
朝、静かに家を出て行った佐久間を止めることはできなかった。
佐久間と
多分、
家族だ、なんて言ったって、そう簡単には関係を変えることはできない。
伝えたいのに、伝わらない。
佐久間が受け入れようとしない限り、届かない。
本当の彼を見せてくれる日はきっとかなり遠い未来だ。
涼 “ご飯食べた？”
数分前に受信したメッセージ。
亮平がそっちにいることに触れてこないあたり、きっと意図を汲み取ってくれている。
けれど、メッセージの内容に返信はできなかった。
「康二、メシ、いらない？」
康「…ごめ、」
「あー、謝んなくていいから。やめとくか。みんなが帰ってきたら涼太に美味いもん作ってもらお」
声をかければ、返ってくるのは謝罪の言葉ばかり。
たまに少しだけ呼吸がおかしくなったり、静かに涙を流していたり。
俺にできるのは、背中をさすることだけで。
康二が壊れてしまう気がして怖かった。
「…早く帰ってこい」
早く、早く。
こうして怯えてる小さな子を、抱きしめてやってくれ。
大事な息子を、弟を、兄を。
ここにいていいんだって、ちゃんと分かるように。
俺じゃ多分、役不足だから。
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鯱(プロフ) - 苺みるくラテさん» ありがとうございます…！！ (12月23日 17時) (
レス) id: 621b904b7b (このIDを非表示/違反報告)
苺みるくラテ(プロフ) - 更新楽しみにしてます！ (12月18日 1時) (レス) id: 00ab994726 (このIDを非表示/違反報告)
鯱(プロフ) - いちごさん» ありがとうございます！これからもお付き合いください！ (9月13日 4時) (レス) id: 621b904b7b (このIDを非表示/違反報告)
いちご(プロフ) - コメント失礼します！凄く素敵なお話で、読みながら泣いてしまいました笑読みやすくて、これからどうなっちゃうの？！といつもドキドキしてます😵💫💗続きが楽しみです！無理せず頑張ってください！！応援してます(><)♡ (9月11日 8時) (レス) id: 9574711b70 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鯱 | 作成日時：2023年9月2日 23時
