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[渡辺 side]
ママ「翔太。Aのお母さんから」
滝沢歌舞伎の幕が上がって初めてのオフ。
起きてリビングに行くとママが紙袋を渡してきた。
中を見ると赤と青のラッピング袋。
ママ「A、見に行くつもりでチケット取ってたんだって。でも行けなくなっちゃったから、代わりにAのお母さんが見てくれたらしい。翔太と涼太に渡す予定でAが準備してたやつ、折角だからって持ってきてくれた」
恐らく俺が青だろうとラッピングを開ける。中身は大容量のパックとボディミルクだった。
ママ「涼太にも渡しといて欲しいって」
「…わかった」
紙袋を持って一旦自分の部屋へ。涼太に連絡して着替えて、涼太の家までチャリを走らせた。
渡辺「おつかれ」
宮舘「おつかれ」
渡辺「これ、Aから」
さっきママから聞いた話を涼太に伝える。
宮舘「チケット、取ってくれてたんだね」
渡辺「来るつもりしてたんなら言えよって感じだよな」
宮舘「まぁ言わずに来るの、Aらしいけどね」
俺達がステージにあがるとき、スケジュールが合えばAが見に来てくれた。何も知らせずに参戦して、次の日の朝に感想を伝えられて知るのがいつものパターンだった。
宮舘「見て欲しかったな…」
渡辺「来年、絶対に見せようぜ。今年よりいい役貰おう」
宮舘「…そうだね」
来年の滝沢歌舞伎で今年よりもかっこいい姿をAに見せるんだ。大変な公演期間、俺はその気持ちで乗り切った。
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作者名:雪 | 作成日時:2024年4月6日 18時