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◇◇◇
[渡辺 side]
時は流れ2014年。
俺はSnowManとしての活動を続けながら大学4年生になった。
Aはかなりキツイリハビリを乗り越えて今年から大学生。
俺が通ってる大学は退学してるから、入り直し。前より断然良いところに通っていて、やっぱり賢かったんだなと思う。
深澤「俺達さ、ずっとこのままなのかな…」
珍しくオフで大学だけだったある日。俺の家で同い年4人で集まっていたらふっかがそう言った。
周りは既に就職してたり大学の卒業を見越して就活してたりする中、俺達はユニットを組んでいるもののJrのまま止まっている。
深澤「正直、周り見てたら俺これで良いのかな?辞めて就職した方が良いのかな?って思ってしまうときがある…」
佐久間「まぁ分からなくもないよ。沢山経験積ませてもらってるけど、この先デビューできる確約があるわけじゃないもんな…」
「「「…」」」
何も言えず4人で下を向いていると俺の部屋のドアが勢いよく開いた。
渡辺「…A?」
どうした?と言う俺を無視してズカズカと部屋の中に入ってくる。
「…贅沢な悩みですね…」
そう言うAの表情を見て、俺は何故か泣きそうになった。
「目標があって、そこに向かって走れる身体があって、仲間がいて。必要なもの全部揃ってるのに諦めようか迷うなんて…贅沢です。私は目標を叶えたくても叶えられません。だから、あなた達が羨ましいです」
怒っているわけでもない、悲しんでるわけでもない。ただ淡々と言うA。
呆れられてしまった…俺はそう感じた。
渡辺「もう少し…もう少し頑張ってみない?」
病室で言った言葉を有言実行すべく緊張感を持っていたつもりだったけど…いつの間にかその緊張に慣れてしまっていたようだ。
宮舘「…そうだね…これだけの場数を経験しているJrはそうそういない。それってそれだけ俺等を認めてくれてるってことだよな」
佐久間「…そっか…そうだよな…」
深澤「…もう少し…やってみるか…」
ありがとねとふっかがAに言うと笑顔を見せたA。
「急に入ってきて邪魔してごめんなさい。これ、翔太に持ってきたら話が聞こえちゃって…」
Aの手にはこの間貸した漫画。
「続き、借りてく」
渡辺「おう」
本棚に漫画を戻すと新しい漫画を取ってAは出ていった。
深澤「気持ち入れ替えて頑張らないとな」
ふっかの言葉に俺達は深く頷いた。
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作者名:雪 | 作成日時:2024年4月6日 18時