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[渡辺 side]
10月。
初めての文化祭に向けて準備をしていたら作業をしながらAが話しかけてきた。
「涼太も入ったって?」
渡辺「…またママか?」
「まぁね。それにしても、ズルくない?2人一緒って」
私も男だったらなーなんて言うA。きっと男だったら余裕で入ってるんだろうなと思う。
渡辺「でもお前はスタント一本だろ?」
「まぁねー歌もダンスも上手くないし」
渡辺「音痴だしな(笑)」
「言うな言うな。こう見えて結構気にしてんのよ(笑)」
「「(笑)」」
「まぁ、同じ現場になれるように2人に頑張ってもらいますかね」
渡辺「…おう」
事務所に入って、有り難いことにすぐにお仕事を貰えて、世界が変わった気がしていた。でもAはそれよりももっと上にいるわけで…もっと頑張らないといけないなと思った。
◇◇◇
先生「咲良〜渡辺〜課題今日までだぞ〜」
渡辺「やっべ!」
有り難いことにどんどん仕事が増えていく俺と、相変わらず引っ張りだこなAは学校を休む日も増えてきた。
学校は芸能活動を許可してくれているけど、成績がつけられないからと、休みが多いと課題を渡されていた。
渡辺「お前やってきた?」
「へへっ」
じゃーんと効果音がつきそうなドヤ顔で課題を掲げられる。
渡辺「まじかよ!貸してくれ!」
課題に手を伸ばした瞬間、見事に避けるA。
渡辺「頼む!お願い!」
「ふふっいいよ。その代わりジュースね!」
渡辺「買う!全然買う!」
Aから課題を受け取り写す。
写し終わり2人で職員室に持っていったら…
先生「渡辺、お前咲良の課題写しただろ…渡辺が全問正解するとは思えん…」
渡辺「すみません…」
写したのがバレて怒られた。
先生「咲良、お前もだ。渡辺のためにならないから見せるな」
「すみませんでした」
2人揃って怒られたけど、今回だけは見逃して貰えて、先生に課題を渡して職員室を出た。
「渡辺が全問正解するとは思えん…だって(笑)」
渡辺「お前な〜全然似てねぇ(笑)」
「「(笑)」」
職員室を出てそのまま帰路につく。
Aが先生のマネをするけど全然似てねぇ。
渡辺「てか先生もお前も俺のこと馬鹿にしてるだろ(笑)」
「して…ない…と…思う(笑)」
渡辺「絶対してんじゃん!(笑)」
オラッとAを確保して髪をぐしゃぐしゃにしてやる。
「もぅ〜(笑) 」
渡辺「はははっ(笑)」
こんな感じで俺達は常に一緒にいた。
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作者名:雪 | 作成日時:2024年4月6日 18時