風磨の彼女は手に負えない。2

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「おはよ。」


何分か前に目が覚めてAの寝顔を
愛おしく見ていたら
Aも起きた。


『んぅ〜。はよ。』


と思ったけどまた目を瞑った。

今日は夕方から仕事って言ってたしまだいっか。

と思ってたけど
またぱっちり大きい目が開いて俺を見つめた。



『ふーま。おはよ。』



ニヤニヤしながら言ってくるもんだから
もう理性とかなくなるて。


「覚えてんじゃん。絶対忘れてると思ったわ。」


『覚えてるよぉ。ふーま。』


“そんなにお酒弱くないし〜”って言ってるけど
昨日のAのデレは滅多にないレアだったから
お酒呑ませりゃいいのか…なんて
考えてた俺は犯罪者予備軍なのよ。



「Aの風磨は真ん中の“う”がないね(笑)」



『ほんと？ふーま。もう癖付いちゃった。』

っていいながら目を擦るA。



『ねぇ。手。』


気づいたらAの胸に俺の手がある。




「いいやん。のんびりしようよ。」


Aを後ろから抱きしめる形にして
ひたすら華奢なAの身体を触る俺。


もう欲求不満レベル。
Aには常に触れてたい。




いつもならするりと逃げ出して
コーヒー飲みに行くAだけど
この日は珍しく素直だった。


『もうちょっと。ダラダラしよーっと。』


そう言ってまた目を瞑ったA。






こんな経緯で俺は無事
“ふーま呼び”を勝ち取ったってわけ。





今でも“ふーま”ってAが呼んでくれるだけで
幸せな気分になるんだから
相当溺愛してんだよな、俺だけは。

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